喉締め声とは?原因と特徴・歌うと痛い・カラオケで力が入る癖

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ボイトレで、「喉が締まっている」や、「喉声」と言われる事があると思います。

そう言われると、「何となく分かる気がする」ような、解釈がぼんやりしますよね。

 

自分の言葉で、それを説明できるようになると、歌が上達しやすくなります。

人は、言葉で説明できると、より理解できる脳の仕組みをしている為です。

ここでは、「喉締め声とは、何なのか?」について、述べていきます。

喉締め声・喉声とは

「喉が締まっている」とは、余計な力がかかって、喉の空間が狭くなっている状態です。

そして、「喉が締まった状態の声」を、「喉締め声・喉声」と言います。

 

水をまくホースの先を、キュッとつまむと、勢いよく出ますよね。

その部分が、喉を締めた状態だとイメージしてみると、分かりやすいです。

喉を締めて声を出すという事は、そこに負荷がかかっています。

喉締め声の特徴

喉締め声とは、どんな特徴があるでしょうか。

例えば、以下の5つです。

・声がうまく響かない

・すぐに喉が疲れて、何曲も歌えない

・高音が出しにくい

・苦しそう

・声帯に自由がきかない

では、1つずつ解説します。

声がうまく響かない

喉が締まると、響きの少ない声になります。

なぜなら、「音の反響する空間」が、狭くなるからです。

 

声帯で作られる音は、口や喉の空間で響く事で、聞き心地の良い声が作られます。

響く空間が狭いと、こもった声になったり、薄っぺらく聞こえたりします。

 

ピアノやギターは、中が空洞になっています。

それによって、良い音色が作られます。

声を響かせるには、空間が必要です。

すぐに喉が疲れて、何曲も歌えない

喉が疲れやすいです。

必要以上に力を込めて歌っていると、声帯の粘膜が充血して、腫れてきます。

痛くなってきて、続けて歌えなくなります。

喉を痛めない、正しい発声を覚えていく必要があります。

高音が出しにくい

喉声だと、高音が出しにくいです。

喉周りに、余計な力が入っていると、正しい筋肉の動きを邪魔します。

 

音は「波」です。1秒間に振動する回数が多いほど、高い音になります。

高音を出す時、声帯はピンと引き伸ばされ、その回数を稼いでいます。

その際に、「声帯を引き伸ばす働き」をする筋肉があります。

 

しかし、使い慣れていないと、喉周りの筋肉が代わりに動きます。

本当は、歌う為の筋肉ではありません。

不要な力が入ると、正しい筋肉の動きを邪魔する為、高音も出しにくくなります。

苦しそう

聴く側からして、苦しそうに聴こえます。

「苦しそうに歌っているなぁ」と、観客がそっちを気にしてしまう時があります。

また、歌っている本人も、苦しいと表情に出ます。

 

聴く側も、歌う側も、心地良くなりたいですね。

声帯に自由がきかない

喉声だと、声帯がうまくコントロールできません。

筋肉は連動しているので、喉周りに余計な力が入ると、声帯の動きを邪魔します。

例えば、重い物を運ぶ時、体の筋肉が硬くなりますよね?

無駄な力が入ると、筋肉は連動している為、声帯も柔軟に動いてくれません。

喉が締まる原因は?

喉締めの原因は、どんな事があるでしょう。

ここでは、以下の4つをあげます。

・余計な力が入っている

・歌う為の筋肉が、鍛えられていない

・「喉を絞らないと歌えない」と思っている

・「大きい声を出そう」と思っている

それぞれについて、解説していきます。

余計な力が入っている

喉周りや肩など、上半身に力が入っていると、喉声になりやすいです。

なぜなら、筋肉が繋がっていて、連動しているからです。

力が入っている時は、筋肉が緊張している状態なので、ストレッチをすると良いです。

首周りや、肩周りをほぐしてあげましょう。

歌う為の筋肉が、鍛えられていない

歌うには、その為の筋肉が必要です。

話すだけなら、日本語はあまり筋肉を使いません。

息の量もそれほどいらず、舌先だけで話せます。

 

しかし、歌う筋肉は、日本語で話すだけでは使いません。

普段は使っていない為、体は使い方を「忘れて」います。

使わなかったり、偏った動きをしていたりすると、その筋肉は硬くなります。

例えば、猫背が原因の、肩こりのようにです。

それでも、「歌うぞ!」という指令が、脳から出ています。

体は「やるしかないか。」と、他の場所の筋肉を使って、なんとか歌おうとします。

 

本来の動き以外の事を、そのまま続ければ、体にはいつかガタが出ます。

歌う筋肉は、発声によって鍛えられます。

ロングトーンといった、声を長く伸ばして出す基礎練習から、地道に続ける事が大切です。

「喉を絞らないと歌えない」と思っている

「喉に力を入れないと、歌は歌えない」と、そう思い込んでいる人は多いです。

なぜなら、喉を締めて歌う事が「癖」になっていて、感覚的に「当たり前」だと思うからです。

 

本当は、喉は適度にリラックスしている必要があります。

ただ、歌うのに力は必要です。

しかし、それが喉に近いと妨げになります。

力を込める所は、ヘソの下4〜5㎝(指だと約4本分)位にある、丹田(たんでん)が良いです。

ここなら力を込めても、喉から遠いので、邪魔をしません。

「喉を絞って声を出す」という思い込みから、自由になりましょう。

「大きい声を出そう」と思っている

声を出す前に、「大きい声を出そう」と、意識していませんか?

実は、そう思って身構えていると、余計な力が入ってしまいます。

歌に限らず、「意識し過ぎて、動きがぎこちなくなる」という経験はありますよね?

まずは深呼吸をしてみて、リラックスしましょう。

「大きい声を出さなきゃ!」という思い込みを、手放しましょう。

 

「大きい声」というのは、「筋肉がしなやかに動く状態で、体の空間に響く音」です。

「力まなくても、大きい声は出るよ〜。」って事です。

余計な力を抜く事が大切なので、ストレッチや深呼吸などで、リラックスを心がけましょう。

喉声を直さないデメリット

喉声のデメリットは、何といっても、喉を痛めるという事です。

何年も、喉声の癖を直さないでいると、だんだん喉にガタが出てきます。

例えば、以下のような事です。

・昔なら出せたはずの、高い声が出せない

・喉を壊して、ガサガサした声になっている

・喉にポリープができてしまった

「大げさな」と思うかもしれませんが、喉声の発声は、早めに直すに越した事はないです。

感情が入って、力むという事はある

歌に感情が入った時、力んで声を出したりしますが、それは表現としてありです。

その部分に共感し、観客が感動する事があります。

喉声が、何でも悪い事ではありません。

あくまで、喉を痛めないように、負担を軽減したいだけです。

喉声は、表現方法の一部です。

まとめ

ここまで、「喉締め声とは何か?」について、述べてきました。

喉に無駄な力が入って、空間が狭くなる状態が、喉締めになります。

声が響きにくく、声帯が柔軟に動かないので、高音も出しづらいです。

 

余計な力が入る癖があるので、リラックスする事が大切です。

「喉に力を入れないと歌えない」といった、思い込みを捨てましょう。

歌う筋肉を作る為、基礎練習を地道にやりましょう。

 

喉声のままだと、喉が疲れやすく、痛めやすいです。

ただ、表現する上で、喉声になる事はあります。

 

「歌う」という感覚的な事を、自分の言葉で説明できると、脳は理解を深めます。

今後、歌がもっと上達していくでしょう。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

ふわはるな