リップロールのデメリット7選・やりすぎや逆効果

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リップロールにも、デメリットはあります。

メリットが多いのですが、万能という訳ではないので、意外に思うかもしれません。

 

特に、歌い慣れてきた頃の人は、要注意です。

デメリットも含め、覚えていれば、それを回避する事ができます。

この記事では、「リップロールのデメリット」を紹介します。

リップロールは「ゆるめる」効果

そもそも、リップロールは、「力み」を緩める(ゆるめる)効果があります。

振動で血流を良くしたり、リラックスしたりします。

 

筋肉は、その場所に適したデザインをしています。

しかし、二足歩行はバランスを取る事が難しく、姿勢が悪くなりやすいです。

すると、本来の力が出せず、他の筋肉が助けに入る事も多いです。

 

「使えていない筋肉」は固くなりますし、「助けに入る筋肉」も負担がかかり、凝ります。

デスクワークで、ガチガチに肩が凝ったりするのは、そういう事です。

そのままだと、無駄な力みの原因になります。

 

なので、緊張している筋肉を、「いったんリップロールで緩めよう」という感じです。

(ただ、それも姿勢をよくした状態でやりたいです。)

高い声が出やすくなる

リップロールは、声門閉鎖(声帯を閉じる力)が少し弱まり、声帯を伸ばす筋肉が優先される事で、高音が出やすくなります。

 

高音域は、力任せに出そうとする人が多いです。

この場合、喉を「ぎゅっと」締める事になり、負担がかかります。

リップロールは、喉が少し緩むので、高音を出す練習に向いています。

一定の息で吐く練習になる

それから、息の圧力(呼気圧)を均等に吐く練習になります。

リップロールは、吐く息が不安定だと、上手く振動できないからです。

 

これは、「歌」に適切な息量でもあります。

一定の息で声を出せると、声帯への負担を減らす事ができます。

 

正しい発声が身についてないと、大きい声、高い声で「圧力」が高くなります。

これは、気圧を高め、声帯にぶつけている状態です。

 

例えば、思い切り投げた「ボール」が、体に当たると赤くなりますよね?

息が「ボール」だとすると、声帯にかかる「負荷」が、イメージしやすいはずです。

なので、できるだけ安定した息量で、声帯を鳴らしたいです。

リップロールは、一定の圧力で、息を吐く練習になります。

デメリット7選

上記を踏まえると、リップロールのデメリットも見えてきます。

例えば、以下の7つです。

・過剰なサポートになる

・声帯がサボる

・喉が閉まらなくなる

・芯のない声になる

・弱い声になる

・声帯の発達がかたよる

・「慣れる」とできちゃう!

次から、1つずつ説明しますね。

過剰なサポートになる

すでに声帯で上手く息を支えられている場合、サポートが過剰になる事があります。

リップロールの主な役割は、「声帯にかかる圧力の軽減」です。

例えば、声帯が第一の「弁」だとすると、唇は第二の「弁」です。

声帯だけで受け止めていた息を、唇でも受けて、分散させていると考えられます。

それが、「過剰なサポート」になる事もあるという話です。

声帯がサボる

やりすぎると、本来息を受け止める、地声系の筋肉が「サボり」やすくなります。

なぜなら、息の圧力が唇にも行くよう、体が「適応」しようとするからです。

 

例えば、自分1人でできる仕事を、他の人が手伝ってくれたらどうですか?

「楽だなぁ」と思って、サボりませんか?

声帯も、サボり癖がつく恐れがあります。

喉が閉まらなくなってくる

喉がちゃんと、閉じなくなってくる恐れがあります。

これを、「声門閉鎖が弱い」と言います。

 

レッスンだと、「声帯がちゃんと鳴ってない」や、「鳴りが甘い」なんて指摘されます。

圧力の分散が起こると言う事は、逆に言えば声帯への負荷が下がっています。

 

筋トレと同じで、負荷が低すぎるトレーニングでは、声帯の能力も成長しません。

「最近しっかり声帯が鳴らない気がする、、」と感じたら、正しい負荷がかかっていない可能性があります。

芯のない声になる

声門閉鎖が弱くなると、「芯のない声」になります。

力強い歌唱ができず、薄っぺらく、魅力のない声に聞こえます。

 

声帯が「弦」だとすると、しっかり弾かないと音が鳴らないですよね。

「軸のある音」が生まれれば、音の成分が多く含まれるので、魅力的な声になります。

 

ただし、「無理に声帯を鳴らす」という事ではないので、注意が必要です。

声帯は「ぴっちり閉じていて、力みすぎず脱力しすぎず、絶妙なバランス」で鳴って欲しいです。

声帯が適度に鳴っているか、耳を傾けてみましょう。

弱い声になる

しっかり声帯が鳴らないと、「弱い声」になる恐れがあります。

リップロールは、口を閉じる分、大きな声も出しにくいです。

脱力しすぎや、小さい声でしか練習しない事にはリスクもあります。

声帯の発達がかたよる

「リップロールだけ」練習するのはよくないです。

筋肉の鍛え方が、かたよる可能性があります。

 

食事と同じように、バランスよく筋肉を作っていく事が大切です。

他の発声練習も一緒に、トレーニングに組み込みましょう。

「慣れる」とできちゃう!

リップロールは、慣れると「できちゃう」事もデメリットです。

つまり、息が弱くても強くても、できたりします。

 

これの、何の弊害になるかと言うと、「一定の息で続ける」という意味が無くなってしまいます。

本来は、「一定の息スピード」で流し続けなければ、上手く成立しないものです。

「慣れているから」、「できているから」と、「本当にできている」は違ってくるので注意が必要です。

デメリットと個人差

デメリットには個人差があります。

自分の体の事が、感覚で判断できる人は、問題になる事はありません。

しかし、まだ自分で判断する力がない場合は、デメリットになる可能性があります。

 

「高い声になると喉が締まる」と言う自覚がある人は、そこを改善する為に、リップロールは有効です。

そこをクリアした上で、「声に芯がなくなってきた」と感じる場合、リップロールはほどほどにしましょう。

初心者の場合

初心者にとっては、歌唱力の向上に効果的です。

声帯を動かす筋肉が未熟なうちは、息の圧力に、声帯が負けやすいです。

その分、喉に力を入れる事で、息の圧力に耐えようします。

 

しかし、筋肉は連動しているので、これは力の方向性が良くありません。

喉が無駄に力むと、声帯の動きを邪魔し、負担になります。

 

運動会の応援で、力いっぱい声を出した翌日、声がガラガラなんて事がありますよね?

あれは、高い気圧で息を「ぶつけた」事で、声帯を痛めてしまうのです。

 

リップロールは、声帯にかかる圧力を「分散」します。

喉締めの改善、声帯コントロール、高音発声のトレーニングに適します。

リップロールは歌中では使われない

リップロールは、「歌中では使わない動作」です。

あくまでウォーミングアップや、クールダウンに使うものです。

そして、それだけを練習しても、歌が上手くなる事はありません。

なので、自分で試してみて、合わなければ別のトレーニングをしてOKです。

リップロールとの付き合い方

「歌う」という行為は、「全身運動」と言われ、様々な要素で成り立ちます。

トレーニングの1つ1つには意味があり、色んな筋肉にアプローチしていく必要があります。

 

喉の力みが取れない人は、それを緩める為に、リップロールをするのは良いでしょう。

逆に、その悩みから脱している人は、違う練習もしてみましょう。

まとめ

ここまで、リップロールのデメリットを紹介してきました。

・もともとは、喉を「緩める」効果がある

・呼気圧の「分散」が、過剰なサポートにもなる

・声帯がサボる

・芯のない声になる

・弱い声になる

・声帯の発達がかたよる

・「慣れ」に注意