「ちりめんビブラート」
しかし、中には「ちりめんビブラート」しかできなくて、悩む人もいます。
問題なのは、ビブラートがコントロールできず、細かくなってしまう事です。
もくじ
ちりめんビブラートとは
布の「ちりめん」(細かいシワ)のような、細かく震えるビブラートの事です。
これは喉でかけるビブラートです。
繊細で、切ない印象を受けます。
また、脱力していて、無理のない発声です。
洋楽でも、日本のポップスでも、よく使われています。
「ちりめん」の悩み
ちりめんビブラートは、とても癖になりやすいです。
なぜなら、喉が楽で、響きが心地よいと感じるからです。
その為、歌う時に負担を感じると、これに逃げやすくなります。
また、歌う筋肉がなくて、震えている場合もあります。
意図せずビブラートがかかり、ストレートな声で歌えないと悩む人もいます。
ちりめんビブラートの原因
ちりめんビブラートの原因は、1つではなかったり、人によって違ったりします。
・声帯が脱力しすぎ
・声帯がしっかり張れていない
・息がすぐに出てしまう
・呼吸が浅い
・緊張している
・「舌」に筋力がない
声帯が脱力しすぎ
脱力は良い事に聞こえますが、必ずしもそうではありません。
声帯をぴっちり閉じる能力が無いと、張りのあるビブラートもできません。
原因が「脱力しすぎ」という場合もあります。
声帯がしっかり張れていない
声帯周りの筋肉が発達していないと、「程よい力」で声帯を張る事ができません。
楽器でいう所の、「弦」がゆるんでいるような感じです。
歌う筋肉は、歌う事でしか鍛えられません。
ロングトーンなど、地道な基礎練習が大事です。
息がすぐに出てしまう
ちりめんになる人は、息のコントロールができず、すぐに無くなってしまう事が多いです。
これは呼吸の時に、主に胸郭が動く「胸式呼吸」になっているからです。
「胸式呼吸」は、肋骨が上がる事で、肺が膨らみます。
しかし、吐く息をコントロールできないので、すぐに出ていってしまいます。
例えば輪ゴム
呼吸が浅い
息がすぐ出てしまうのは、呼吸の浅い「胸式呼吸」になっている可能性があります。
これは、肋骨(ろっこつ)周りの筋肉を使う呼吸です。
息をコントロールするには、横隔膜を使う「腹式呼吸」がいいです。
緊張している
緊張すると、体のどこかに力が入ってしまいます。
体に余裕がなくなると、呼吸が浅くなり、
上手く歌おう、自信がない、こわごわ歌う
いきなり人前に立って話す時、声が震える事がありますよね。
なれない事をすると、緊張して声が震えます。
「舌」に筋力がない
舌に筋力がないと、声が震えたりします。
日本語は、舌の筋肉を使わなくても喋れるので、基本的に固い事が多いです。
その場合、「舌の位置を固定」する事ができずに、震えてしまいます。
例えば、久しぶりに筋トレをした時に、プルプル震える事がありますよね?
舌の筋肉も、同じ事です。
そして、声帯は近い位置にある為、影響を受けやすいです。
ちりめんビブラートの直し方
・正しい発声の基礎が前提
ビブラートの前に、基礎的な発声ができているかが大切です。
最初は正しい「姿勢」と、「呼吸法」です。
次に、発声に使う筋肉も、ある程度ついていないといけません。
スポーツ選手が、基礎練を欠かさないように、歌も同じです。
基礎練習で、横隔膜や、声帯を動かす筋肉を鍛えます。
面倒くさいですが、基礎練は大事です。
・ストレッチ
「喉・首・肩」が緊張しないように、歌う前はストレッチをします。
血流をよくして、ほぐしたいからです。
ストレッチは「ゆっくり」やります。
いきなりバキバキと動かしては、痛める可能性があります。
まずは血流を良くしましょう。
・息を吐いて、横隔膜を動かす
温まってきたら、ドッグブレスや、ロングブレスをします。
声は息に乗るので、まずは息を吐いて、固まっている横隔膜を動かしていきます。
肺の周りは、骨で囲まれているので、横に肺を膨らませるには限りがあります。
逆に、肺の下は骨がないので、そのスペースを使えば沢山息が吸えます。
・真っ直ぐ声を伸ばす練習をする
一定の息で、均等に声を出します。
声が震えて聴こえてしまう場合、息が不安定で揺れてしまっている可能性があります。
丹田という所に力を込めて、息がすぐに出て行かないように、意識しながらロングトーンの練習をしましょう。
例えば、弓を真上に向けて打つイメージをします。
そして、その弦の部分が横隔膜です。
コントロール「できない」事が問題
勝手に声が震えてしまうビブラートは、発声のどこかに問題があります。
自分の意思で、好きなように使えているのは良い事です。
体が緊張して強張っている、横隔膜が動いていない、事が原因かもしれないし、呼吸が浅かったり、
ちりめんビブラートは基礎を固めてから
ちりめんビブラートは、基礎的な発声ができてから使った方がいいです。
安定した音が出せる上で、わざと音を揺らす必要があるので、元々音が揺れているとそもそも安定しないからです。
また、喉を使ってかけるビブラートの為、負担になりやすいからです。
もともと、「ちりめんしかできない」という人であれば、なおさら基礎を見直してみましょう。
基礎もできて、ビブラートも使い分けれるようになれば、色々な歌が歌えるようになります。
息が浅い人は、ちりめんビブラートになりやすい
息をコントロールできないと、ビブラートもコントロールできないからです。
バランス
「声帯を閉じる力」と、「息量」のバランスが大事になってきます。
声帯を閉じる力が未発達だと、はっきりしたビブラートができません。
呼吸が浅いと、そもそも歌う余裕がなくなるので、無駄に体が力んできます。
喉でかけるビブラート
喉でかけるビブラートは、速いビブラートをかけれる事がメリットです。
自分の意思でコントロールできるようになれば、曲のイメージに合わせて、使い分けられるようになります。
声を長く、真っ直ぐ出す方が難しい
声を長く、まっすぐ出す方が難しいです。
なぜなら、横隔膜を使って息をコントロールする必要があり、見えない所の筋肉を使うからです。
その為、筋肉を鍛えるイメージが湧きにくいですし、使わなければ衰えます。
年齢などで、声帯が細くなってくると
それを応用すると、響きのあるビブラートができるようになります。
その為、ビブラートは基礎を固めていれば「自然とできるようになる」といわれています。
逆を言えば、応用からやろうとすると、変な癖がつきかねないともいえます。
まとめ
ちりめんビブラートを直すには、時間がかかると感じるでしょう。
スポーツと同じで、1日では筋肉はつきません。
誰でも最初は上手くいきません。
少しずつ正しい筋肉の使い方を覚えていきましょう。