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昔、ボーカルの先生に言われたのは。「ファルセットは宇多田ヒカル、裏声は声楽」という事でした。

当時は「ふーん?」という程度で分かっていなかったのですが、具体的にまとめてみました。

ファルセットと裏声は「カテゴリ」が同じ

基本的にはどちらも同じ「裏声」というカテゴリです。

裏声は「高音域の発声の総称」です。

大きく分類すると、「ファルセット」と「ヘッドボイス」の2種類に分かれるのが最も一般的で、分かりやすい考え方です。

ファルセットとは

ファルセット(falsetto)はイタリア語で、「嘘の」「仮の」といった意味があります。

ルーツはラテン語のfalsus(ファルスス)。日本語では「仮声」と訳される事もあります。

 

ファルセットは地声系の筋肉がほぼ動いていない発声です。(声帯の一部だけが振動します。)

流派によっては、「支えのない声」や「メロディを歌えない歌声」と思われ、ネガティブな印象を持たれる事があります。

裏を返せば、「純粋な裏声」といえましょう。

特徴

・柔らかく繊細で、透明感のある音色になる。

・息の消費量が多い

・喉に力を入れすぎず、息をたくさん流しながら柔らかい音色を作る

仕組み

・ファルセットの発声をしている時、稼働するのは声帯を引き伸ばす筋肉だけです。

・「輪状甲状筋」と、それに対抗する作用のある「後輪状披裂筋」です。

・ただし、歌う際には音程を取ったり、ロングトーンをする必要があります。

・その際に稼働するのは、喉仏を吊っている筋肉群「高等懸垂機構」です。

・これが稼働することで、「声は支えられている」状態になり、コントロールが効くようになります。

・つまり、ファルセットは喉頭懸垂機構が稼働しない為、歌中では使えない。となります。

・ただし、トレーニングによって喉頭懸垂機構を参加させる事ができるので、「支えられたファルセット」を習得する事も可能です。

もう少し深掘り

・「仮声帯」「喉頭蓋」「披裂軟骨」→これらの部位は一切働かない。全開まで開かれている。声帯だけが若干振動し音が出ている状態なので、声の振動感がとても軽い。声帯を開閉している「披裂軟骨」の部分までが閉まろうとすると喉に引っかかりを感じたり、ファルセットにノイスが混じったりする。「息を吐く妨げ」になる意識を全て取っ払う。ファルセットは基本的にため息と同じくらい急激に息がなくなるもの。

メリット

ファルセットは「輪状甲状筋」と、それに対抗する作用のある「後輪状披裂筋」に対してピンポイントで負荷をかける事ができるので(鍛えることができるので)、以下のような効果があります。

・輪状甲状筋は音程の調整を行う筋肉です。声帯の柔軟性が上がり、高音域が出しやすくなります。

・喉への負担を減らす事ができる。

・音色の幅も増えるので、表現力も上がる。

・地声で高い声を無理やり出そうとしなくなるので、聴き手も疲れない。

・高音を出すのが苦手な人には、そのコツを掴む手段になる。

デメリット

ファルセットは息の消費量が激しい声です。

例えば「ため息」と同じくらいです。1秒くらいしかロングトーンができませんね。

表声とファルセット

強くてしっかりした声(表声)は声帯を閉じる筋肉(閉鎖筋群)が働きます。(比較的低音部分の発声)

ファルセットは声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)が働きます。

声帯を閉じる力が弱くなることで、柔らかく繊細な声になります。

その為、閉鎖筋群が働いていると、ファルセットの発声は難しくなります。

裏声とは

「裏声」はヘッドボイス(頭声)とも言われます。

「裏声」という大きな箱の中に、「ヘッドボイス」と「ファルセット」という2種類が入っていると考えると分かりやすいです。

 

裏声は地声と比べると、圧倒的に倍音(ばいおん)の数が少ないです。

合唱曲の澄み切った、あの綺麗な響きは、裏声(ヘッドボイス)を使っています。

倍音という「個性の違い」が消えている為、声同士が綺麗に混ざり、ひとつの大きな響きになるんですね。

まとめ

・ファルセットは声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)が働く為、声帯を閉じる筋肉(閉鎖筋群)が働くと発声が難しくなる

・息漏れのある(ノイズのある)ファルセットか、息漏れのない(しっかり音に変換された)ヘッドボイスか、という違いで区別されます。